キムラスカ・ランバルディア王家が男系男子継承だったら話 1






※ この話はルークが生まれながら女体化しておりますので、苦手な方はお気をつけ下さい。











ランバルディア王家の証
いにしえより ランバルディア王家に 誕生する正当な後継者は 赤い髪と緑の瞳を 併せ持つ男子だけである
その証を以って ランバルディア王家の一族と認め これを王位継承の最優先事項とする


永らくの歴史を保つキムラスカ・ランバルディア王家であったが、ここ十数年…確実な危機があった。
ND1974に現王であるインゴベルト六世の腹違いの妹に当たるシュザンヌが生まれてから、王家はお子に全く恵まれなかった。
継承は男系男子なのだが、その男子でさえインゴベルト六世自身が最後で、生まれていないという状態。
このままでは、キムラスカ・ランバルディア王家の血が途絶えてしまうという懸念が常にあった。
しかし、ND1999年・レムデーカン・レム・37の日に転機が訪れる。
念願のインゴベルト六世の直系女子にあたる、ナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディアが生まれた。
そのことにキムラスカ・ランバルディア国内は歓喜に溢れる。
そして、やっと生まれた跡継ぎに、男系男子継承よりも男女平等論が国民の間で議論となった。
慎重を口に出しつつも女系女子継承の法改正のために法案は着実にまとめられて行き、もうすぐというところになった、ND2000年。
身体が弱くてお子は無理…と言われていたシュザンヌが身ごもる。
その事実が伝わり男子か女子かと、国内で緊張が高まる。
シュザンヌは夫であるファブレ公爵が統治するベルケントの第一音機関研究所で検査を受けて、お腹の中にいる子が男子だと知る。
男子が生まれた場合、確実に王位継承権はその子になる。
兄であるインゴベルトやナタリアの立場が辛くなる…と考えたシャザンヌは、ファブレ公爵とも相談した結果、生まれた子は女子であると発表する。
その後、生まれた子はルークと名づけられ、女子として外部には漏れないように育てられる。
しかしルークが十歳の時、そろそろ顔立ちがはっきりしてきてしまい、いくら長髪だからとはいえ誤魔化しがきかなくなりそうになる。
どうしようかと、ファブレ夫妻が悩んでいるところに現れたのはヴァンだった。
ヴァンは第六譜石の内容を知っていたから、ルークが本当は男子であることを確信していた。
そして、ファブレ夫妻にこう持ちかけた。
「ルークの性別が女子であるレプリカを作りませんか?」と。
悩みぬいた末に、ファブレ夫妻はヴァンの言葉を受け入れて、レプリカルーク(女)が誕生する。
子供が二人いるのはおかしいから、以後レプリカルーク(女)をファブレ公爵邸に置くこととし、本当のルークはヴァンが預かることとなった。
ヴァンは、本当のレプリカ計画のためにルークが必要であったし、ホド崩壊のことで個人的にもキムラスカ・ランバルディア王家を恨んでいたから、今後の混乱のために本当のルークを“アッシュ”と名付けてダアトで育てることにした。
そして、アッシュが十七歳の時。
アッシュの存在並びに今のルークがレプリカであることを、ヴァンがバラしたとは悟られないように巧妙に世間に伝えた。
未だ女系女子継承の法改正がなされていないキムラスカ・ランバルディア国内で、男子がいるならアッシュこそが王位を継承すべきだという論が高まる。
反対に今まで模範だったナタリアこそが王位継承がふさわしいという声もあがる。
国内は大混乱となり、ヴァンの思惑通り、キムラスカ・ランバルディア王家事態が傾きかける。
そんな自体を救ったのは、意外にも当の本人であるアッシュだった。
アッシュはヴァンのことは慕っていたが、やはり十歳まで愛情を受けた両親や国を嫌ってはいなかった。
だから、いとこであるナタリアと婚約して、二人でこれからのキムラスカ・ランバルディア王国を支えるということにした。
事態は、終息を迎えたように思えたが。
レプリカであるルークの存在だけが、残ってしまった。
この世にはルーク以外のレプリカは存在しない。
レプリカなどというものがいること自体よく思われないため、ルークはファブレ夫妻やインゴベルトを除く貴族などに大いに迫害をされた。
ルークは自分の立場をよくわかっていたから、それも仕方のないという卑屈。
そんな中、今までゴタゴタしていて会うことも適わなかったのだが、ルークは始めてきちんとアッシュと出会った。
ルークは自分のオリジナルであるアッシュに憧れを抱いていたので近づこうとするが、アッシュはそれをあまり快く思わず無碍にしてしまう。
アッシュに嫌われていると悟ったルークは本当に絶望する。
自暴自棄になっていたとき、ルークに悪魔の声がかかる。
特にアッシュとナタリアはいとこであるから、キムラスカ・ランバルディア王家は今後も子供が見込めないかもしれないという理由で血を残すために、ルークを種馬にしようとする古参の貴族がいた。
キムラスカ・ランバルディア王家のためになる…と表面上を騙して、ルークを連れて行こうとする。
そこを助けたのは、アッシュだった。
あくまでも自分のレプリカがそんな目に会うのは許さない…という理由であったが、監視のためにアッシュはルークを手元に置くこととする。
ルークは外に出ると一般人でからさえ非難の目を浴びることが怖かったから、ほとんど家に引きこもる。
それでもアッシュには嫌われたくないから精一杯尽くす。
最初はルークの存在自体にイライラしていたアッシュであったが、段々とわだかまりが解けていく。
やがて互いを好きになる。
しかし、アッシュにはナタリアという婚約者とキムラスカ・ランバルディア王家の未来があった。
幸せで溺れそうだけど、自分の存在が邪魔だとわかっていたルークの元に現れたのはガイであった。
ガイは七年間ルークだけを見ていたし、アッシュのこともよくわかっていたから、一緒に迫害のないマルクトへ逃げようと手を差し伸べる。
ルークはガイの手を取り、逃避行するのだが………


と、ここまで考えました。
あとは子供が生まれたりするので、余計に泥沼となるのでやめときます。
2006/09/06

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