そして、今日から俺はもう二度と彼に会うことは叶わなくなった――― 初めて出会った時の事を俺は忘れない。そして、最後の時も。 彼は常にそこにいる人物ではなかった。 次にいつ会えるだろう…というくらい、不定な存在で掴めない。 それでも何度も会えたから、それに甘んじてしまった。 こんな状態になる前に、何とか出来たのかもしれない。 でも、俺は何もしなかった。 何も告げる勇気はなかったんだ。 言えない…ということは、所詮その程度にしか考えていなかったんだろ?と言われても仕方がないのかもしれない。 実際そうなのかもしれないけど、違う気持ちが強かった。 好きだからこそ近づくことが怖くて、震えてどうしようもなかった。 俺は彼にだけは嫌われるのが嫌だったんだ。 そして最後まで、身体が動かなかった。 ありがとう… 彼にとって俺はちっぽけな存在だったかもしれないけど、それでも 俺は、彼を好きになれたことが、幸せでした。 2007/07/27 back |