ED後。ルークもアッシュも無事に生還します。 しばらく二人はバチカルで普通に生活をするのですけど、やがてルークは死んでしまいます。 と言っても人間のように死ぬという行為がやってくるのではなく、レプリカイオンなどと同じように消えてなくなってしまいます。 その事実に、アッシュは呆然と立ち尽くします。 ルークはわざと痕跡も残さずに身辺整理を綺麗に済ませて、いってしまうのです。 そして、今までルークがいた周囲に変化が訪れます。 誰もルークのことを覚えていないんです。 まるで元からルークの存在なんてなかったかのようになってしまうのです。一欠けらの矛盾も残さず。 実はルークは死ぬときに、ローレライに頼んだのでした。 「皆から自分の記憶を消すように…」と。 自分は元から存在しない、存在なのだから、昔に戻るように正当な道をアッシュには歩んで欲しくて。 アッシュは周りから“ルーク”と呼ばれて、何事もないように振舞われます。 でも、残酷なことにアッシュだけはルークの存在を覚えているんです。 完全同位体のせいで、完全にはルークのことを忘れることは出来ない。 何よりもアッシュはルークへ深い想いを持っていたから、そんなことは元から叶わなかったのです。 この世界でルークのことを覚えているのは、アッシュ一人だけになってしまいました。 その事実をアッシュは周りに押し付けたりはしません。 ただ、ルークの棺はないんです。 あったとしても、空っぽで入れるような遺品は何もない。 アッシュは、むせ返るほどの手向けの白い花だけで棺の中を押し詰めます。 生まれてから死ぬまで真っ白だったルークを思い残せるように。 そして、その傍らでずっと、誰も知らないルークという存在を想い続ける……… 2007/04/28 back |