※ この話はルークが生まれながら女体化しておりますので、苦手な方はお気をつけ下さい。 きちんとした法整備がなされたオールドラントでは、医療向上のためのレプリカ生成は一般に認知されつつあった。 それでも膨大な費用が嵩むため一部の上流階級しか浸透していなかった。 ND1999、キムラスカ・ランバルディア王家に転機が訪れる。 現王インゴベルト陛下に待望のお子が生まれたのだ。 インゴベルト陛下は王妃を愛していたため側室もおらず、正当な血筋をもつ系統が失われつつあったので、国中が歓喜の渦に包まれた。 子供はナタリアと名づけられて大切に育てられた。 そして一年、長らく子に恵まれていなかったファブレ公爵とシュザンヌ夫人の間にも望まれていた赤毛の男子が生まれた。 その男児もアッシュと名づけられて、ナタリア王女との婚約が即時決まった。 ND2018までは平穏な時が流れて二人は17歳になった。 そんなある日、不慮の事実が判明する。 実は王女ナタリアは正当なキムラスカの血筋ではなく、死産してしまったお子の替え玉だったのだ。 インゴベルト陛下のとりなしもあり、何とか事態は終息へと向かうが、王家全体にしこりが残ってしまう。 次世代の血筋全てを背負うことになったアッシュは、周りからひしひしと重圧を感じるようになっていった。 キムラスカ王家はある決断をする。 ユリアの預言に詠まれた聖なる焔の光はアッシュであることは間違いなかった。 亡くなるとわかっていても、この血筋は残さなくてはいけない。 王家はアッシュに預言の全てを包み隠さず伝えた。 アッシュは自分が死に行く運命にあることを納得はしなかったし、また預言の存在も認めてはいなかった。 このままアクゼリュスに行き、死んで来いと命令されるのかと思ったが、一つの提案を受ける。 王家の血筋を残すためにどうしても子供が必要だ。それも、強い血を持った… アッシュの女性型レプリカを作り、二人の間に子供を作る。そして、アクゼリュスで死ぬのはそのレプリカでいい、と。 アッシュはその提案を到底受け入れることはできなかった。 しかし、納得できないままにも時間は残酷に過ぎていく。 了承をしたつもりはなかったが、アッシュの女性型レプリカが作られる事になったのだ。 優秀な遺伝子を残すために何体も作られたレプリカが目の前にやってくる。 遺伝子的には優秀でもアッシュ自身との相性の問題があるので、出来が悪いのもいいのも色とりどり集められた。 皆、アッシュの子供を生むために作られたレプリカでたくさんいた。 事態に辟易したアッシュは、一番出来の悪い遺伝子を持ったレプリカ(ルーク)を選ぶ。 どうせ使い捨て。身代わりとして最後は死ぬのだから、だったらどうでも良い存在のほうが気にも病まないだろう…という判断だった。 アッシュはルークを選んだが、それは他のレプリカからしたら納得のいかないことだった。 影でルークは迫害されていったがルーク自身はあまりに不出来で、仕方なくアッシュは最低限助けてやっていた。 刷り込み不足なルークは、自分が死に行く存在だとわかってはいるが、どこかずれている。 レプリカなのに自分とはあまりに違いすぎる存在――― 段々とルークに惹かれていくアッシュ。 二人の間に目的のために作られる子供。 子供が生まれて、アクゼリュスへ向かうルーク。 一体、誰が死んで誰が生きるのか… と、そこまで別に考えてはいません。すみません。 2008/02/25 back |